つれづれなるままに~じゃないけどかたりたい

映画やドラマについての思いを語ります。伊藤健太郎くん多めです。

デメキン~あんたに嫉妬したんよ~

とても嬉しいお知らせがあって、

まだ気持ちは浮かれています。

そして観たくなったのはこれ。

 

伊藤健太郎映画初主演作品

デメキン

 

彼自身も振り返るときこの作品を観ると

言っていたなと。

とても大切な作品だと。

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出典:映画「デメキン」公式Twitter 

 

*****ネタばれあります*****

デメキンって、

今日俺と同じヤンキーものだけど、

ちょっと描写がエグイ。

同じ血みどろの姿なんだけど、

リアリティがある。

 

鼻血なんてかわいいもので、

根性焼きに日本刀に段ボール箱

どつかれ方もまた酷い。

 

それなのに不思議なほどの透明感と

静けさを備えているのが正樹。

 

言葉も荒いし、

粗暴な振る舞いも多いのに、

なぜそのように見えるのか。

 

意を決した時の眼差しのせいかなと。

 

いつもはふにゃふにゃ

歩いている正樹なのに、

ここぞというときは、

真っすぐに前を見据える。

 

“静”

 

デメキンと呼ばれるだけあって、

その瞳は大きく飲み込まれそう。

 

本人はデメキンとは

呼ばれたくはないだろうけど、

その瞳は人を魅了するに十分だと思う。

 

静寂を作り出すものは決して濁らない。

 

正樹が前を見据えるシーンは

いくつもあるけれど、

選ぶとするなら好きなのはこの2つ。

 

厚成がやられた後、

トイレで鏡に映る自分を見る眼差し。

 

悔しさと憎しみ。

 

もちろん敵に対する憎しみは大きいけれど、

それ以上に自分へのいら立ち。

 

厚成は子どもができ、

チームを抜けてほしいと

アキに頼まれていた。

それでも一人敵陣へと乗り込んでいった。

 

総長になったばかりの自分のために。

 

もうすぐ抜けなければいけなかった

厚成の焦りもあったのだと思う。

 

それに気づけなかった自分への怒り。

 

「お前にな…俺の何がわかるんか」

引用:映画「デメキン

  

そう言った厚成の言葉が

正樹の脳裏には蘇っていた。

 

わかりあえていると思っていたのに、

自分だけが何もわかっていなかった。

 

そしてもう一つが、

仲間とともに、決戦に向かうとき、

特攻服を翻しながら廊下を歩く姿。

 

トイレでは自分を憎み、

こらえようのない感情に

囚われていたけれど、

このときはすでに違う。

 

厚成の仇を取ると決め

彼の目の向こうに映るのは

ただ敵の姿のみ。

 

進むべき道を見つけ、

ただそこを突き進む。

 

その背中には仲間たちがついている。

どんなに劣勢でも負けるはずがないと

思わせる。

 

これが人の上に立つことのできる人間。

 

正樹は言葉では語らない。

 

目だけですべてを語る。

 

正樹は伊藤健太郎にしかできないなと。

 

 

でもやっぱり言葉も語りたいので

ひとつだけ。

 

「あんたに嫉妬したんよ、そのとき。

 あんたがどう言おうと、

 俺はこいつの仇を取る」

引用:映画「デメキン

  

怪我を負った厚成に

付き添うアキへの一言。

 

厚成のこと、

本当に大切なんだなぁって。

 

そして厚成が大切にしている

アキのこともちゃんと

大切にしているなぁって。

 

”嫉妬”という言葉が

こんなに素敵に聞こえることなんて、

そうそうない。

 

かわいい彼女ができた厚成に

嫉妬したんじゃなくて、

厚成に大切にしてもらっている

アキに嫉妬したって。

 

愛の告白ですよ。

 

このあとどうなるかわからない

命がけの戦いに向かう姿なのに、

なんだか心が温まる。

 

だから映画『デメキン』は

ただ生臭いだけの暴力映画には

決してならない。

 

何度でも観たくなる。

正樹と厚成に会いたくなる。

 

昼顔~俺、あんたからなんも教わってねぇぞ~

お誕生日に向けて、

アドベントカレンダーもどきを

しているのですが、

そのおかげで懐かしい彼に

また会ってきました。

 

デビュー作「昼顔」の木下啓太。

 

初めての作品とは思えない圧倒的な存在感。

オーディションで彼を選んでくれた方には

感謝しかない。

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*****ネタばれあります*****

大人を信じていない高校生。

大人どころか、友だちや彼女ですら

誰も信用していないんじゃないかな。

 

母親が若い男と恋に落ちて、

彼を置いて出て行ってしまったことで

心に大きな傷を抱えている少年。

 

うん、少年。

年齢と体は高校生だけど、

心は母親が恋しくて仕方がない子ども。

 

だから大人の色恋ごとには虫唾が走る。

 

担任教師北野が結婚しているにも関わらず、

人妻と恋をしていることに気付き、

破滅に追い込もうとする。

 

でも北野がいつも親身になって

自分のことを心配してくれていることも

心のどこかではわかっている。

 

飄々といつも大人を冷めた目で見て、

バカにしていたはずなのに。

そんな彼の感情が突然爆発します。

 

「なんでみんな俺を捨てんだよ!」

引用:ドラマ「昼顔」

  

北野の道ならぬ恋が学校にばれ、

学校を去ろうと姿を消したことを知り、

暴れる啓太。

 

信じていたのに、

捨てられたと思ったんだね。

母親のときと同じように。

 

感情を爆発させる姿が切ない。

誰か受け止めてあげてほしい。

 

大人の恋のドラマなのに、

なぜ高校生の啓太が語られるのか。

 

人の心は自由だから。

結婚という事実よりも

恋を優先したいのならそれも一つの選択。

 

でもね…子どもがいたら話は別。

 

その恋が子どもの人格や生き方に

影響を与える可能性は高い。

親には子どもを健やかに育てる

責任がある。

 

北野と紗和の恋は

結婚しているという現実を乗り越えて

貫き通したい究極の純愛みたいにもみえる。

 

でも、それは子どもがいないから

美しく見えるだけ。

 

だから啓太を登場させた。

 

母親が自分より恋を優先したことで

傷ついている子どもがいる。

 

それでも恋を貫くべきか否か。

そう問いかける。

 

そこを実の子どもにすると

北野と紗和の恋の透明感が

なくなってしまうから、

教え子啓太に代弁させたんじゃないかな。

 

啓太はキーパーソンだと思ってます。

 

そして綺麗ごとの挨拶だけで去ろうとする

北野に痛烈な一言。

 

「俺、あんたから

 まだなんも教わってねぇぞ!」

引用:ドラマ「昼顔」

  

そうだよねぇ…

うわべだけの言葉から

教わることなんて何もない。

傷つけられただけ。

 

そのまま教室から去る北野を見送る

啓太の茫然とした顔がたまりません。

 

また裏切られた。

しかも母親と同じ道ならぬ恋が理由で。

 

でも北野はその言葉に応えます。

 

大切な教え子に何も残せないどころか、

さらに大人を信用できない人間に

するわけにはいかない。

 

校内放送で、愛について

自分の想いを包み隠さず語る北野。

 

「相手の幸せを願い続ける…

 それこそが心を持ったホモサピエンス

 人間という生物の愛なんだと。

 だから君たちには

 いつか誰かを真剣に愛してほしい

 …そう願っています。」

引用:ドラマ「昼顔」

 

 その声は啓太の心に響いた。

 

その声を聞きながら

そっと持たれてくる彼女の頭を

すっと手でよける仕草が好きです。

 

どんなに熱いキスをしても、

今の恋が真実の恋ではないことは

わかってるから。

 

放送室から出てきた北野に伝えます。

 

「俺、ちゃんと高校卒業すっから。

 まだ母親に会う気にはなれねぇけど。」

引用:ドラマ「昼顔」

  

少し大人になったのかな。

母親を許せとは言わないけど。

 

でも母親の行動にも

彼女なりの理由があったはず。

 

そしてその行動に

自分の将来まで左右されることはないって

思えるようにはなった。

 

道ならぬ恋は周りの人を傷つける。

だから肯定はしない。

 

でも真剣に人を愛する気持ちが

啓太を救うことになったのなら、

少しだけ意味のあるものだったかな。

 

東ラブ~どこにも行かないって約束してよ~

ここは聖域だからと

なかなか踏み入れられなかった作品。

 

前のつれづれは

健太郎くんが出ているところだけを

チョイスしての語りだったので、

主演作品は避けていたけれど、

台詞語りとなるとやっぱりこの作品も

語りたくなってしまいます。

ドラマ「Tokyo Love Story」。

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出典:「東京ラブストーリー公式Twitter」

*****ネタばれあります*****

「どんだけ心配したと思ってるんだよ。

 俺、サントミさんとの会食、

 飛ばして来たんだよ。」

 「カンチ、それはもはや恋だね。」

引用:「Tokyo Love Story」

  

リカが怪我をして入院したと聞いて、

駆け付けた病院での言葉です。

 

自分の無神経な言葉が

リカを傷つけたことに

やっと気づいた鈍感カンチくん。

病院に駆けつけて

やっと謝る機会をもらえました。

 

リカは本当に傷ついたと思うんだけど、

ちゃんと謝るカンチを冗談のように

許してあげるところが本当に優しい。

大人だよね。

 

普通の女子なら、

どれだけ傷ついたかってことを

切々と訴えるし、責めるわ。

 

それを笑顔で茶化せるリカは素敵。

 

無視していたのに、

駆け付けてきてくれた

カンチの態度がうれしかったのかな。

 

カンチの仕事の状況は把握しているから、

カンチが仕事よりも

自分の心配をしてくれたことはわかってる。

 

そのリカの笑顔に甘えて、

思わず仕事を飛ばして来たって

文句を言っちゃうカンチもまたかわいい。

わざわざ言わずともリカはわかってるって。

 

リカの手のひらで転がされてます。

 

そして部長に嫉妬する

カンチの目の表情が大好きです。

 

「和賀部長がいるくせに」

「さっき帰ったじゃん」

 

「…帰る」

引用:「Tokyo Love Story」

 

拗ねるカンチです。

嫉妬する時点で、もう恋してるんだって。

 

そして去るときの笑顔も、

病室を出てからの廊下での微笑も全部好き。

 

表情だけですべてを語ってしまう。

 

完全に恋に堕ちているのに、

なんで認めないんだろうね。

 

リカと逢えなくなって

やっと気づくなんてね。

 

ここで逢えない時間を作ったのは、

やっぱりリカの作戦かしら?

 

でもリカって

そこまでしたたかではない

とも思うんですよね。

 

サトミの前での

カンチの態度に怒ったことは事実。

二人の夜のことを

なかったことにしてもいいとも思った。

 

でも旅に出たのはきっとたまたま。

仕事が落ち着いたし、

そうなると旅に出るのはいつものこと。

 

自分の心のままに生きるのがリカ。

他人には振り回されない。

 

リカが旅に出たときと

カンチがリカに会いたいと思ったときが

たまたま一緒だっただけ。

 

そしてその逢えない時間で

カンチが自分の気持ちに気付いたんだから、

それは運命ですね。

 

”リカに会いたい”

 

ちゃんと伝えられてよかった。

 

リカは真っすぐな気持ちを

受け止められる人だから。

 

リカに好きだと言えたカンチ。

 

「もう急にいなくなるの

 やめてもらっていいですか」

「それはわかんない」

「どこにも行かないって約束してよ」

「約束は嫌い」

「じゃあ、離さない」

引用:「Tokyo Love Story」

 

もうこのときのカンチの表情

たまらないですよね。

 

この言葉のやりとりは

すごく幸せなシーンなのに、

なんだか切ない。

 

リカは自由な女性。

カンチは普通の男性。

 

”離さない”って言葉は真実だし、

その言葉をリカは心から喜んでいる。

 

決して束縛なんかじゃなくて、

ただ”好きだから一緒にいたい”って

気持ちだってことをわかっているから。

 

それでもずっと一緒に生きていくのは

難しい二人だろうなって思ってしまう。

 

3話で完結させて、

ハッピーエンドでもよかったのに。

 

でもそれじゃあ、

伝説のドラマ「東京ラブストーリー

にはならないんだ。

十二単衣~誰かを想う気持ちを大切にするのが雷~

女の子をとっかえひっかえしていると

言っていた実くんの言葉から

思い出したのはあの方のお言葉。

今日は映画「十二単衣を着た悪魔」

を語ります。

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出典:映画「十二単衣を着た悪魔」公式Twitter

 

*****ネタばれあります*****

光の君を想うあまりに

正妻を呪い殺したと噂され、

都を去ることになった六条御息所

 

彼女について弘徽殿女御さまは

このように言い捨てる。

 

「御息所様も頭の悪いことを。

 男と女のことは人生の彩りに

 過ぎぬもの」

出典:映画「十二単衣を着た悪魔」 

 

実くんも、男と女のことは彩りのように

思っていたかも。

 

この女御さまの言葉に反応する雷が

たまらないのです。

 

倫子と風子を失い

自らの心をも失ってしまった

雷の瞳に光が宿る瞬間です。

 

「そうでしょうか。

 私は御息所様を愚かだとは思いません。

 たとえ

 どんなにみじめな結果になろうとも、

 私は魂が抜けるほど

 誰かを想いたいです。」

出典:映画「十二単衣を着た悪魔」

 

雷の言葉は止まらない。

 

「誰かを想う気持ちが

 その人自身や生き方を

 輝かせることもあります。

 哀しみや苦しみを

 喜びに変えることもできます。」

出典:映画「十二単衣を着た悪魔」

  

雷と倫子には別れのときが訪れてしまい、

胸が張り裂けるほどの

哀しみと苦しみの中に雷はいる。

 

それでも雷は倫子との出会いを

決して後悔してはいない。

倫子との出会いは喜びだと。

 

倫子と出会わなければ、

こんな哀しみを味わうことは

なかっただろうに。

 

それよりも倫子と過ごした

幸せな時間の方が大切なんだね。

 

凄いことだと思う。

 

私ならそんなに苦しむのであれば、

最初から何もなかった方がいい

と思ってしまうかもしれない。

記憶を消し去ったほうが楽になれる。

 

でも雷は決してそうは思わない。

倫子と共に強くなった人だから。

 

弘徽殿女御さまは

そこまで想える相手とは

巡り合わなかったのかもしれないけれど、

雷の想いは十分に伝わっていた。

 

弘徽殿女御さまは別れの挨拶に訪れた

六条御息所にこう告げる。

 

「御息所様は光を心から愛し、

 輝きを手に入れられた。

 身の丈に合ったことだけをして

 傷つかぬように生きることなど

 小者のすること。

 

 身の丈に合わぬものを追い求める者こそ、

 輝きを手に入れることができるのです。」

出典:映画「十二単衣を着た悪魔」

  

“恋だの愛だのは人生の彩りに過ぎない”

と語ってきた弘徽殿女御さまが、

人を想うことによって

”輝きを手に入れられた”と語る。

 

女御さまは何ものにも影響されない。

自分の信念からは決してブレない女性。

なのに、

雷のこの想いは受け入れた。

 

雷は他の人たちと何が違うのだろう。

 

女御さまの目には、

雷も身の丈に合わぬものを

追い求めているように

見えていたのだろうか。

 

源氏の世界に飛ばされた当初、

あらすじ本と現代薬を利用して

稀代の陰陽師を装うことで、

自らの生きる場所を得た雷。

 

自らの能力とは釣り合わない偽りの姿。

 

源氏の世界で生きていく中で、

陰陽師として、倫子の夫として、

真っすぐに生きていく自らの姿を

追い求め続けた。

 

倫子と共に生きる雷は偽りの姿ではなく、

雷そのものとなった。

輝ける真の存在となった。

 

陰陽師としての力が、

己の実力ではなかったということを

女御さまは知るすべもないけれど、

変わっていく雷の姿に

何かを感じていたのかもしれない。

 

雷が必死で何かを追い求め続けて

輝きを手に入れていく姿を

女御さまはずっと見つめ続けていた。

 

そして極めつけの一言。

 

「つまらぬものに負けてはなりませぬぞ」

出典:映画「十二単衣を着た悪魔」

  

”つまらぬもの”というものが何なのか。

受取り方は人それぞれ。

 

噂話をする人のことなのかもしれないし、

それ以外のものかもしれない。

 

でも言えることはただ一つ。

 

何かを掴み取ろうと必死になる人を揶揄し、

自分は何もしない。

相手の立場に立って考えることもできず、

他人のことを思いやれない者は

”つまらぬもの”です。

 

そんなものを気にかけている時間は

無駄だなと。

 

その言葉を御息所にかけた後、

女御さまは雷に微笑みかける。

やさしい姉のようでもあって、

少しあどけない幼女にも見える微笑み。

 

雷の前では弘徽殿女御さまも

あらゆるものを一人きりで背負う

太后ではなく、

ただの一人の人間となれるのかもしれない。

 

恋愛感情では決してないのだけれど、

深い信頼関係。

人間愛のようなものが

二人の間にはあるのだなと。

 

雷が源氏の世界で生きていく上で

女御さまの存在は

救世主のようなものであったけれど、

女御さまにとっても

雷の存在は救いだった。

 

雷が源氏の世界に導かれたのは

偶然でも奇跡でもなく、

必然だったのだと思う。

パパ活~君子じゃない。女子だから~

ドラマ「パパ活」の実くんの続きを。

 

杏里役の飯豊まりえちゃんとは、

「学校のカイダン」「必殺仕事人」「惡の華

と共演の多い同い年女優さんだけど、

実は実&杏里の雰囲気が一番好きです。

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*****ネタばれあります*****

杏里が元カレともめているときも、

体を張って守ってくれます。

でも別にかばうというわけでもなく

こんな感じ。 

「急な心変わりか。お前の自業自得だな。

 まぁ、気を付けろよ。

 ああいうプライド高そうな奴って

 ストーカーとかになるっていうから。」

「なら、あんたは平気ね。」

「プライド低いからな。

 …っておい!」

引用:ドラマ「パパ活

  

守ってあげたのに、”あんた”と呼ばれ、

”プライド低い”扱いされてます。

 

でもなかなかの修羅場のあとに、

そういう軽口を叩ける遠慮のない関係が

また良き。

 

ノリ突っ込みがあんまりうまくないのも、

また良き。

 

それにしても二人とも修羅場慣れしているな。

 

そしてこんなやり取りしているのに、

突然

”…血、出てんぞ。”って

さりげなくハンカチが

出てきてしまうのです。

さらにニヤッて笑うところがカッコイイ。

 

普通はここで

キュンとなるはずのシーンなのに、

一切そんな雰囲気にはならない二人です。

 

実っていつから杏里のことが

好きだったんだろう。

 

確かに彼氏とデートする杏里の

ノロケに”つまんねぇ”っていう言葉は

あったけど、だからといって、

別に切なさはなかったんですよね。

 

パパ活のことも心配はしていたけれど、

奪おうという感じもなかったし。

 

まぁ、ただの友だちなら、

彼氏の振りとはいえ、

ベッドには一緒に入らない。

 

しかもそれを他の人に見せつける

芝居なんて絶対できない。

それを頼んでしまう杏里ちゃんも

謎なんだけど。

 

二人きりの部屋で想いも告げたけれど、

それでも実の好きの度合いが

よくわからないんだな。

 

他の刹那系男子は、

その子しか見えていないって

わかるくらいの熱い想いを

見せつけてくるのに。

 

そこに突然のこの台詞だったから

余計に刺さったのかも。 

「やめとけよ。

 俺の料理だって負けてないって。

 俺もあの人に負けてないって。」

引用:ドラマ「パパ活

  

今までの実の温度とは違う熱さ。

杏里のことが気になるのは嘘じゃない。

 

でもそれ以上に逃避行に

巻き込まれそうな杏里のことを

助けたかったのじゃないかなと。

 

優しい実くんだから。

全力で止めようとした。

 

自分のものにしたいというだけじゃない。

 

「やめとけよ。忘れちまえよ。

 君子危うきに近寄らずさ。」

引用:ドラマ「パパ活

 

ここでもまた

”やめとけよ”って言っているし。

 

でも杏里はこう返すのです。 

「私は君子じゃない。女子だから。

 危うきだろうが近寄って

 好きな人なら抱きしめたい。

 抱きしめられたい。」

「あとで後悔してもかよ。」

「知るか、ボケよ。」

引用:ドラマ「パパ活

  

杏里ちゃん、お口悪いです。

でもそれだけに本気度も感じます。

 

なんか負けたって感じがするんです。

 

後悔しても貫きたい恋か…。

 

”大人になるとどこかで

 折り合いをつけて、

 安全な道を選ぶようになる”

 

杏里本人もそうわかっているのに、

危うきものに人生を賭けて飛び込む覚悟。

 

それを見せつけられると、

実も止めきれなかったね。

 

”ほっぺにチュー”って軽いかんじで

送り出してあげるところも実の優しさ。

 

そして杏里の魅力がわからないという

オーナーにこう言うのです。 

「つまらんすね。

 金持ちになると、

 ちっぽけなダイヤが石ころに見える。」

引用:ドラマ「パパ活

  

実にとって

杏里はどんなダイヤモンドに

見えていたんだろう。

 

実の好きの度合いは

やっぱり最後まで謎だったけど、

去った相手のことをこう言える。

 

実はやっぱりイイ男です。

 

パパ活~”俺じゃダメ?”の上級編を行くのが実~

実は刹那系男子なのに、

それほどヒューチャーされないのが

ドラマ「パパ活」の実くん。

 

私も「パパ活」っていうワードと、

クレジット順もそれほど高くないのも

あって、かなり後回しになってました。

 

でも実くんいいんです!

めちゃくちゃいいんです!!

 

「俺じゃダメ?」の上級編を行く男子です。

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*****ネタばれあります*****

実くんは大学教授とパパ活している

大学生杏里のバイト先で働く料理人。

 

イケメン料理人で会話も楽しい

イマドキ男子。

もちろんモテるから

彼女はとっかえひっかえ。

 

それでいて女の子のことを

上から見ているかと思うと、

そうでもなくて。

 

口は悪いけど、

実は優しいツンデレくんなのです。

 

そんな実がパパ活している

杏里にかける一言。

 

「らしくねぇな。

 おまえらしくねぇだろ。

 いくら行くとこないからって

 …そういう軽い感じ?

 

 抜け出せなくなるんじゃねぇの?

 そんな楽な暮らし」

引用:ドラマ「パパ活

  

ちゃんと相手のこと見てるよね。

地に足もついている。

 

一見チャラく見えるけど、

お給料は料理器具や食材に費やして、

一流の料理人を目指す芯のある男なのです。

 

そのあと、

生活費はもらってないって聞いて、

”要求しろよ!”って説教するところは

現実主義者でもあるけど。

 

グッモニのいっちゃんみたいに、

最初は完全な脇役キャラだったのに、

だんだんと主要キャラに化けていく人。

 

教授との恋愛に悩む杏里に

そっと寄り添う。

でもちゃんと自分の気持ちも伝えている。

 

その告白の仕方も、

恋愛に慣れている感じもあって

お洒落なのです。

 

行く場所を失った杏里を泊める実。

実の部屋に二人きりの深夜。

でも手は出さない。 

 

”もっと女に冷たいヤツだと思ってた”

という杏里に伝える言葉。

 

「冷たいさ。どうでもいい女には。

 お前ってほんと鈍感だよな。」

引用:ドラマ「パパ活

 

 ほんと恋愛上級者。

 

”お前は特別だ”って

さらりと伝えてしまうわけですよ。

そして別に見返りを求めるわけでもない。

 

外見も中身もイイ男。

なんで刹那系男子になってしまうのか、

よくわからない。

  

そして極めつけは、

教授との恋愛に行き詰まる杏里への

この一言。

 

「やめとけよ。

 俺の料理だって負けてないって。

 俺もあの人に負けてないって。」

引用:ドラマ「パパ活

  

これは”俺じゃダメ?”の上級編と認定したい。

 

”ダメ?”って聞くのは、

判断を相手にゆだねているけど、

”負けてないって”っていうのは

勝負に出てるよね。

 

”俺じゃダメ?”って聞くのは

相手のことを想っての

優しい言葉だから大好きだけど、

ちょっと強引な

”俺も負けてないって”にも

かなり心臓えぐられました。

 

しかも杏里が厳しい状況に

飛び込もうとしているのを

わかっていての救いの言葉。

 

手を差し伸べたんだよね。

 

杏里は素直に

その手を掴むだけでいいのに。

 

でもこのときの杏里ちゃんの言葉も

女としては好きなのです。

 

長くなりそうなので、次に続けます。

 

ルムロン/デメキン~亜樹人と正樹のギャップ萌え。それを繋ぐのが蘭~

huluで映画「ルームロンダリング」の

配信が終わってしまうと思って観てたら、

コンビニのお客さんに笠松将さんが

いることを思い出した。

 

*****ネタばれあります*****

ルムロンのこのコンビニシーン好き。

 

「コンビニだって客商売だろ。

 商品の場所覚えて

 手際よく出すのも仕事だろ。」

「はい…すみません。

 ありがとうございました。」

引用:映画「ルームロンダリング

 

デメキンじゃあ敵対する

チームの頭の二人なのに、

亜樹人があまりにも正樹と違いすぎて。

 

ある意味ギャップ萌え。

 

全然名言でも何でもないです。

きっとコンビニではよくある風景。

なぜか店員さんを上から見る

お客さんっていますよね。

 

謝ってその場を収めて仕事する

亜樹人くん、よくがんばってます。

 

生活のためのバイトで、そんなに

やりがいを感じているわけでもなく、

モヤモヤを抱えている姿。

 

普通の人。

 

でもやらないといけないから

ちゃんとやる。

 

そういう普通の姿を見てると、

みんな一緒だよねと

なんだか落ち着きます。

 

といいつつ、

やっぱりこの二人なら

映画「デメキン」でしたね。

  

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出典:映画「デメキン」公式Twitter

 

デメキンのこの二人のシーンは

めっちゃかっこいい。

二人というか、正樹がかっこいい。

 

「能書き聞いとる体力はないったい」

引用:映画「デメキン

  

自分たちよりはるかに多い数の敵を

相手にして、ボロボロの正樹。

もう限界だって晒している台詞だけど、

すごい余裕を感じる。

 

笠松将演じる蘭は

手下をうまく使う頭脳派。

悪く言えば口だけのタイプって

正樹は見切ったのかな。

 

そして蘭の屈折した感情も見切ってる。

 

正樹はもちろん喧嘩も強いけれど、

総長になれたのはそれだけじゃない。

 

貢とのタイマンのとき

 

「俺はお前と殴り合いたくないって。

 お前も大八くんも失いたくないんよ。

 だけん、このとおりや。

 頼む。」

引用:映画「デメキン

  

喧嘩でぐんぐん勢力を伸ばしている

人間に突然

“失いたくない”って

頭下げられたら、心にぐっとくるでしょ。

“こいつとなら”って思うよね。

 

正樹は相手の懐に入るのが本当にうまい。

しかも計算じゃなくて、

それを心でやってしまう。

 

仲間は上っ面だけで近づいてくるもの

という蘭と格闘しながらもこう叫ぶ。

 

「仲間欲しかったらな

 …欲しかったらな

 …知るか、あほ!おらぁ!!」

引用:映画「デメキン

  

これだけ仲間に囲まれているのに、

仲間の作り方は知らないんだって。

 

仲間は作るものじゃなくて、

なるものってことかな。

それを聞いた仲間たちも

”知らんってなんやぁ”

って笑ってるし。

 

マニュアルみたいなものはなくて、

真剣に向き合っていれば

自然となれるってことなのか。

 

綺麗ごとの理想論な気もするけれど…。

 

現実には人間にはいろんな人がいて、

全ての人と仲良くなんてできない。

 

正樹にも合わない人は

山ほどいるだろうけど、

ひとまず受け入れるんだよね。

 

「今度、一緒にラーメン食いに行くや?」

引用:映画「デメキン

  

蘭の寂しさや弱さも

きちんとわかってのこの言葉。

優しい言葉だなって思います。

 

このときの言葉の掛け方が好きです

 

勝者の顔でもなく、ただ普通に。

何事もなかったように。

そっと微笑む。

 

“これからは仲間だよ”って伝える言葉。

 

正樹って厚成ほどに

“仲間”を熱くは語らないけど、

本当に人を大切にしているなって。

 

純粋なんだな。

だから血みどろの姿になっても、

決してその透明感は失われない。

 

そこを語り出すと終わらないから、

また次にしよう。