つれづれなるままに~じゃないけどかたりたい

映画やドラマについての思いを語ります。伊藤健太郎くん多めです。

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら~2杯目~

あの花つづり、続けます。

石丸と千代ちゃんを

語ろうかなぁと思っていたけど、

まずは石丸さん一人語りを。

 

 

このパンフレット読んだら、

もう家に帰っているのに

また泣けて泣けて。。。

 

石丸さんを自分勝手につづります。

 

*****ネタばれあります*****

 

石丸智志。

21歳。

特攻隊員。

土佐出身。

特技、元気。

趣味、元気。

そして、歌。

 

石丸について

映画版で語られることは

これくらい。

 

他の特攻隊員は

今まで生きてきた道のりを

語られているのに

石丸は一切語られない。

 

石丸の立ち位置は

明るいムードメーカー。

 

ダジャレを言ったり

茶化した言葉で

いつも周囲を和ませている。

 

「おなかペコペコ隊

 参上しましたー!」

 

その声を聞いただけで

みんな笑顔になってしまう。

 

おしゃべり好きな石丸だから

きっと自分の子ども時代や

家族のことをおもしろおかしく

仲間に聞かせているだろうに

その姿を見せるシーンはない。

 

石丸には背負うものは見せずに

軽やかでいてほしかったのかな。

 

でも見ている側は

彼を待ち受ける運命と

彼の覚悟を知っているから

 

彼が明るくふるまえば

ふるまうほどに

笑顔の裏の強さや

切なさを感じてしまう。

 

たまらないですよね。

 

そんな石丸が

本音を吐いたときがあった。

 

別部隊が明日旅立つ夜。

 

「生殺しはもういいわ。」

 

遅かれ早かれ逝く運命ならば

いっそ早く。。。

 

親友と思う

佐久間と二人きりだからこそ

吐けた本音なんだろう。

 

死ぬのが怖くない人なんていない。

 

それを怖いと言えない時代は

やっぱり残酷だ。

 

大切な人と未来を生きたい

ということは

そんなに贅沢なことなんだろうか。

 

後輩の板倉が

絶望から命を絶とうとした

許嫁を守るため

軍からの逃亡を謀った橋の上。

 

全員が板倉を囲む中

石丸は一言も言葉を発しなかった。

 

いつも穏やかで笑顔の寺岡ですら

感情を抑えきれない状況なのに

石丸はただ後ろでたたずんでいる。

 

いつもの明るい石丸であれば

その場を取りなそうと

板倉との間に入るだろう。

 

でも一切動かない。

 

そこに石丸の想いが見えた気がする。

 

”行け”とも言えない。

”行くな”とも言えない。

 

人の気持ちがわかりすぎる人だから。

 

板倉の想い

寺岡の想い

加藤の想い

佐久間の想い

百合の想い

 

誰の想いも間違っていないし

人の想いほど大切なものはない。

 

もう何も言えなかったんだろうな。

 

あの石丸が何も言えない。

そこにこのシーンの深みがある。

 

石丸の姿が一度だけ

スクリーンに映ったとき

その表情がたまらなかった。

 

板倉が去り

最後の夜の宴。

 

いつも通り明るく楽し気な

お腹ペコペコ隊の姿。

 

覚悟ができている人たちの姿は

潔い。

 

見ている側は悲しいし

悔しいんだけれども

なぜか穏やかな気持ちにもなる。

 

それはきっと

旅立つ人たちが

大切な人を守るためという

自らの信念を持っているからだろう。

 

命令されて行くのではない、

自分の意志で行くのだという

芯の強さに魅了されてしまう。

 

でも特攻という作戦が

正しかったとは決して思わない。

 

私はおなかペコペコ隊のみんなに

生きて家族とともに

しあわせな人生を過ごしてほしかった。

 

残された家族への手紙。

 

スクリーンでは一瞬で

すべてを読めなかったので

円盤化されたら一時停止して

じっくり読みたい。

 

と思っていたら

パンフレットに掲載されていました。

 

石丸の手紙はお母さまへ。

 

私たちが知ってる

石丸そのままでした。

 

そして

”何一つ未練などございません”

と。

 

もし自分がこんな手紙を

子どもから受け取ったら

どんな気持ちになるだろう。

 

世の中のすべてを恨んで

全部ぶっ壊してやりたいと思いそう。

 

でもきっとあの石丸を育てた母なら

息子の想いのすべてを丸っと

受け止めることができるんだろうな。

 

そして一人

布団の中で泣くんだろうなと。

 

その姿を想像しただけで

また泣けてしまいます。

 

親より先に逝ったらいかんぜよ。

 

でもそれがわかっていながらも

そういう道を選んでしまう

時代だったんでしょうね。

 

旅立つ石丸が見上げる空。

 

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この横顔が

すべてを物語っているように

感じます。

 

石丸が最後に目に焼き付けた笑顔。

 

次こそ石丸と千代ちゃんについて

語りたいと思います。