つれづれなるままに~じゃないけどかたりたい

映画やドラマについての思いを語ります。伊藤健太郎くん多めです。

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら~1杯目~

映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら」

観てきました。

初日とはいえ遅い時間なのに

後方席はほぼ埋まっているのではないかと

いう状況。

期待の高さがうかがえます。

 

役者伊藤健太郎

惚れこんでいる身としては

この作品での石丸役が

決まったと発表があったとき

主演ではなく”助演”ということに

たまらない思いがありました。

 

あるインタビューで

「自分の存在はまだ作品の邪魔になる」

と語っていた彼が

こんな大きな作品の三番手で

呼ばれたということが嬉しくて。。

 

ほんとオカンですね。

 

そしてこの作品自体に

いろいろと感じることがあったので、

綴ります。

 

思いっきりネタばれしますので、

ご注意ください。

 

*****ネタバレあります*****

終戦間際の世界が舞台で、

特攻隊員と女子高生の恋物語

これはお涙頂戴に違いない。

 

役者伊藤健太郎は楽しみだけれど

特攻隊員のお話を

私は何回も観ることが

出来るのだろうかと少し不安が。

 

そして初見の日。。泣きましたね。

いつから泣いてたのかも

わからないけれど

中盤くらいからは

ずっと泣きどおし。

 

そしてエンドロールが

終わったとき

 

”優しい物語だったな”と。

 

これだけ泣いておいてだけれど、

悲しいお話ではないと。

 

何度でも観たくなる作品でした。

 

現代から戦争中の時代へと

タイムスリップしてしまった百合。

 

突然現れた女の子を何も聞かずに

受け入れてくれる人たちがいた。

 

自分の暮らしも、明日の命すら

わからないのに、手を差し伸べる。

 

そしていつ出撃命令が下るか

わからない特攻隊員たち。

 

自らを”おなかペコペコ隊”と呼び

いつも明るく振る舞う。

そこに悲壮感はない。

 

戦時中という

大変な時代ではあるけれど

周囲のことを思い

懸命に生きる人たちの姿が

そこに描かれていた。

 

これを”優しい”と言わずに

何と言おうか。

 

その優しい空間の中

戸惑いながらも

自分の気持ちに真っすぐな百合。

 

戦争を知らない時代で

育った百合には

”国の為に命を捧げる”

という考え方は

バカげているとしか思えない。

 

お国のことよりも、生きて

自分の大切な人を守ることの方が

よっぽど大切で意味のあることと

信じている。

 

この映画を観て

大きな気づきが2つあったと

思っているのですが、

その1つがここ。

 

百合の父親は溺れる

子どもを助けるために

命を落としている。

 

”素晴らしい人だったよ”

と言われて育った百合。

 

私も命を懸けて

他人を救う人は凄いと思う。

 

でも助けられた側は

一生背負っていくんだろうなと

考えたことはあった。

 

でも、残された家族のことは

考えたことがなかった。

 

「自分の子どもはどうなの!」

 

そう叫ぶ百合の表情に

そういうことを考えなかった

自分の視野の狭さを

責められている気がした。

 

父親さえ生きていれば

母親はこんな苦労をすることもなく

自分も何も気にせず

大学に行けただろう未来。

 

その未来を奪ったのは

まぎれもなく父親自身だと。

 

反抗期の子どもらしい

考えだけれども

これも一つの真実だな。

 

百合は家族の元に帰らず

飛び立とうとする

特攻隊員たちに

父親の姿を

重ねていたのかもしれない。

 

お国のために命を捧げる

勇気ある崇高な行動のように

見えるけれど

残された家族はどうなる。

 

家族のしあわせのため

というけれど

父親のいない暮らしが

どれだけ寂しく

大変なものかということを

百合は知っている。

 

そして日本が負けることも

百合は知っている。

 

ただ特攻隊員たちにも

飛ぶ理由があった。

 

ここにもう1つの気づきが。

 

私たちは敗戦後の日本が

占領されることもなく

高度経済成長期を経て

平和で裕福な国

となったことを知っている。

 

でもこの時代の人は違った。

 

「もし日本が負けたならば

 男は奴隷扱いとなり

 女や子供もどんな酷いことを

 されるかわからない」

 

それが彼らの考える敗戦国の未来。

絶対に負けるわけにはいかなかった。

 

ぺらっぺらの飛行機で

巨大空母に突撃する。

 

自分の命を捧げての攻撃が

どれだけの意味を

成すかもわからない。

 

おそらく無意味だということも

気づいている。

 

それでも大切な家族を守るため

わずかでも可能性があるのであれば

そこに賭ける。

 

そういう思いだったのかなと。

 

玉音放送のときの映像を

見たことがある。

 

戦争が終わって

自分の命が助かったのに

なんでみんなこんなに

嘆いているのだろう。

そう思っていた。

 

本当に考えが浅いな。

 

敗戦国となり

これからどんな地獄が

待っているのだろうと

怖かったんだ。

 

アメリカに連れていかれて

奴隷とされる可能性だって

考えられた。

 

平和な時代に育って

想像力が足りない自分が

情けない。

 

祖父母世代から

現実の戦争の話を

直で聞いてきた世代でさえ

こんな状況。

 

さらに若い世代は

どうなるんだろう。

 

若い世代に

ぜひ観てもらいたい

作品だと思う。

 

石丸さんと千代ちゃんのことを

語りたいのに綴りだすと

やっぱり長くなるー。

 

次は石丸さんと千代ちゃんの

笑顔を語りたいと思います。