つれづれなるままに~じゃないけどかたりたい

映画やドラマについての思いを語ります。伊藤健太郎くん多めです。

PLANET KENJI-プラネット・賢治-

プラネット賢治。

宮沢賢治作品の朗読劇

 

舞台鑑賞は大好き。

でもストレートプレイよりも

ミュージカル派。

音楽劇が一番好き。

なタイプにとっては、

朗読劇はちょっと退屈かもと。。

 

でも伊藤健太郎さん、竹中直人さん、

佐藤江梨子さんとなると

声の良さと演技のすばらしさは

絶対的のものであることは

間違いなし。

 

逆に声が良すぎて

眠りの世界に誘われる

危険性の方が高いような気もするけど。

 

そして私は宮沢賢治作品を

ほとんど読んだことがない。

 

そしてそして予習は嫌い。

まっさらな状態で観るのが好き。

 

と、かつてない状況にて

観劇してきました。

 

 

まぁ、わかってはいましたが。。

彼らの世界に引き込まれました。

 

退屈とか眠たくなりそうなんて、

一切なく、

75分の上演時間があっという間。

(75分は短いけど。。)

 

*****ネタバレあります*****

 

舞台は銀河鉄道の夜イメージ。

濃紺の世界。

流れる調べはチェロの調べ。

 

舞台は電車の中だけれど、

背後には三角のタワーのようなものが。

段差が作られ、その上や下に3脚の椅子。

 

朗読だから椅子に座りっぱなし、

出ずっぱりなのかと思いきや、

竹中さんと佐藤さんは出たり入ったり。

 

朗読をする場所も

椅子だったり立ったままだったり

階段に腰を掛けたりとさまざま。

 

物語の中の一部として

朗読があるのですね。

 

朗読劇は初めてで

他の演目を知らないのですが、

こんなものなのでしょうか。

 

以前ANN0の配信でやった

「虹男」も確か”朗読劇”と

名打たれていたと思うのですが、

またそれとも違いますね。

 

朗読される作品は5つ。

 

雨ニモマケズ

よだかの星

注文の多い料理店

オツベルと象

「インドラの網」

 

「インドラの網」以外は

読んだ覚えのある作品。

 

普通に童話として、

その事象だけを

受け止めていたけれど

朗読劇となると

なぜこんなに深みを感じるんでしょう。

 

年齢のせいかもとか

宮沢賢治作品だからとか

声や読み方に読み手の思いが

乗っているからとか

 

いろいろな理由があるけれど、

とにかくその作品の中に意味を求めて

聞きながらも考え込んでしまいました。

 

何か深い意味があるはずと

意味を求めながら聞いていることに

 

我ながら

”嫌な先入観だな”

とも思ったのですが。

 

でも深いんです。

そして余韻が残るのです。

 

竹中直人

雨ニモマケズ

”そういうものに私はなりたい”

 

佐藤江梨子

よだかの星

”灼けて死んでもかまいません”

 

伊藤健太郎

オツベルと象

”苦しいです。サンタマリア”

 

ぞくっとする瞬間。

 

紡がれる作品の中で

ふと挟み込まれる

一言の言葉のささやきに

心がつかまれてしまうのです。

 

これは黙読では

わからない感覚ではないかと。

 

それにしても

「インドラの網」は

4回聞いてもやっぱりわからなかった。

 

生と死のはざまの世界を

語っているのかなと考えつつ

宮沢賢治はこの作品で

子どもたちに何を伝えたかったのだろうかと。

 

そしてロジャーさんはなぜこの作品を

選んだのだろうかと。

 

宮沢賢治初心者には

難しい作品だけれど、

そのせいか宮沢賢治の世界観には

少し触れることができたような気がする。

 

あんまり意味がわからないからこそ

その世界に浸りこめる感覚が

回を重ねるごとに増してきて

意味はわからないんだけれど

なんかわかるという感じ。

 

伝わる日本語になってないですね。

でもそんな感じです。

 

途中、

「いつ青年は頭を打ったんだ?」

とか

「なぜ突然”伊藤健太郎”なんだ?」

とか

ちょっと話の流れが唐突で

繋がっていないところが

ある気がしたのですが、

グッズとして販売されていた

台本を読んでいろいろと納得。

 

結構割愛されていました。。

 

当初、公式SNSの発表では

公演時間が135分だったところが、

75分に変更されていたのは、

こういうことだったのでしょうか。

 

んーーーーー。。

もったいない。。

 

さまざまな事情はあるかとは思いますが、

台本丸ごとやってほしかったーーー。

 

 

といいつつも、

この作品の世界の時間と空間が

与えてくれる心地よさは

ずっと浸っていたいくらいに大満足でした。

 

このフラットな時間を過ごした後の

アフタートークとのギャップたるわ。

 

楽しかったですね。

 

ロジャーさんの入りには

だんだんツッコミたくなるし、

サトエリさんのクレバーさは見事でした。

毎回、振る話を変えてくるところが凄い。

 

そして竹中さんはどんな話でも

綺麗に拾って広げていく。

 

さすがすぎますね。

 

健太郎くんもトークは上手だと思いますが

またまたお勉強になるところが

多かったのではないでしょうか。

 

そんな中でかわいい姿を見せてくれるところは

さすがファンが求めているところを

わかってくれていますよね。

 

また彼らに銀河鉄道の世界に

連れて行ってほしいです。

 

次はもう少しちゃんと理解しようと

今さらですが、

銀河鉄道の夜」の文庫本を

買ってきました。

 

竹中さんに

「予習はしてきましたか?」

と聞かれたとき、

 

”この作品には予習は必要でしたよねー”

 

と心の中で呟いておりました。

 

次の発車をお待ちしております。